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西澤潤一
(中44回生)
<プロフィール>

昭和23年3月 東北大学工学部電気工学科卒業 
昭和23年4月〜昭和28年 東北大学大学院特別研究生
昭和28年4月 東北大学助手(電気通信研究所)
昭和29年5月 東北大学助教授(電気通信研究所)
昭和35年3月 工学博士
昭和37年12月 東北大学教授(電気通信研究所)
昭和43年〜 (財)半導体研究振興会 半導体研究所所長
昭和58年4月〜昭和61年3月 東北大学電気通信研究所所長 
平成元年4月〜平成2年3月 東北大学電気通信研究所所長 
平成2年4月 東北大学名誉教授
平成2年11月〜平成8年11月 東北大学総長 
平成9年4月〜 東北自治総合研修センター館長
平成9年9月〜 宮城大学名誉学長
平成10年4月〜 岩手県立大学長 


<シンポジウムでの意見の要旨>

 世界的に、個と公との均衡が崩れだした。
言葉を変えれば、個人主義の崩壊と利己主義の横行である。
極貧の下でのみ道義的に承認される存在のみの尊重から逃れて人間は各々の
国で生存以外の余力の配分に道を選び、国の特徴を形成して来た。
 利己主義が姿を現わして、堂々と権利を主張することは殆どなかったが、
今や情勢はすっかり変貌して、下手をするとヒットラーの再現となる。
しかもそのエネルギーは金と権力の融合になる。
 この21世紀に向けて、活路を見出そうとすれば、生存に危険を感じさせない
ゆとりと、人間が精神生活のバランスを失わない文化の発達を実現することで
あろう。


<後輩の二高生に望むこと>

 この恵まれた自然の中で、静かに青春を過ごすということは、段々に失われつつ
貴重な至福で、これを充分に所有しているのは二高生の最大の幸せである。
 妙な暗記を強いられるという試験突破を避けて通れないというのは、甚だ
不幸で同情に耐えない。
無茶な暗記をしすぎて思考能力が発達しなくなるということである。
しかし、その困難の中で是非思索の力を育てて欲しい。
 自己の知識を連結しねり合わせて矛盾の一元化された体系としてゆくことを
哲学するという、人間としての哲学体系のことを人生観という。
自然科学を対象とする場合、自然観になってやはり体系になる。
社会科学でも精神科学でも同じで、この体系を持つところから創造を生むことが
出来るようになる。
予想すら当たるようになる。
若いうちから小さいながら演繹と帰納の訓練をし、習慣付けることが近代人の
条件である。
 焦らず、胡麻化さず、一歩でも半歩でも歩き出すことが少く共、上級校に
入ったり社会に出たときにすぐ始められるようになっていることが大切であろう。
小さくてもしっかりした人格を持った人間になってほしい。


<その他>

 学問でよい仕事をしているとき、スポーツの方も大いに振るっているようです。
二、三人クラスに優れた人が居ると、そのクラスは大成する人が多くなるようです。
この人達を中心として、クラス全体の考えがまとまるから、段々に高い次元の
考えをする人がふえる。
高い次元の考えは何かと云うと、広い範囲や深く掘り下げたときでも、矛盾の
出ない考えのことを云ってよいと思います。
体の弱い人は、よく効率を考えて、体を毀さないよう限界をわきまえて、
体の使い方を工夫することです。




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